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医療費控除の世帯合算について考える

 千葉市の税理士ふくやまです。

 昨日、一昨日と東京国税局の電話相談員に従事してきました。

 電話相談は申告書の記載の仕方など簡単な質問から私も聞いたことがないような超レアかつ難解な質問まで本当にイロイロだったりするのですが...

 一般に電話相談の内容で医療費控除の質問は「楽勝~」な部類になります。

 納税者から見ると判断が難しいと思われる医療費控除の範囲なども税理士の世界では詳細な事例検討の蓄積がありますのでそうそう悩むことはありません。

 で...

 そんな医療費控除のなかでもちょっと悩ましい問題だと個人的に思っているのが医療費控除を受ける際に「家族の医療費を全て合算してよいのか?」というようなことだったりします。

 ちなみに所得税法第73条(医療費控除)の条文は以下のとおりです(原文まま)。

 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。

 ここで重要なのは「居住者が~支払った...」という部分ですね。

 先日も社会保険料控除について「控除を受けられるのは支払った人」という記事を書いたのですが医療費控除においても控除を受けられるのは「支払った者」のみということになります。

 しかしながら...

 世の中のイメージは「医療費控除は家族全員の分を合算して申告する~」ということで確立されている?ようですし、実際に税務署の担当者殿も確定申告の相談会場などで同様の趣旨の指導・説明を行っています。

 これまた、こういった指導・説明が誤ったものかというとですね...

 個人的には「やむを得ないのでは...」と思ってみたりもします。

 医療費というのは病院などへの支払が対象になりますが、そもそも病院などは現金払いが原則でした。

 現金で支払う上に領収証の宛名は患者名が記載されることが通常です。

 つまりですね...

 子供の医療費を親が支払っても領収証の宛名は子供の名前で発行されることになります。

 極端な話しをすれば、「Aさんの医療費をAさんが支払ってもAさんの親が支払ってもAさんの友達が支払っても領収証の宛名はAさんになる」ということですから、領収証から実際に支払を行った者を特定することは困難(というか不可能)となります。

 そういった背景を考えた上で、医療費控除は生計を一にする親族の医療費を支払った場合は控除の対象になるということに着目すれば「家族全員の医療費を合算して申告して大丈夫~」というのは税法上はともかくとして税務行政の運営上は暗黙の理解事項となることは「やむを得ないこと」となります。

 ただし...

 最近は医療費の支払方法も多様化してきました。

 医療費ローンもありますし医療費のクレジット払いもあります。

 こうなってくると話は少々変わってきます。

 例えば夫婦が各自の医療費をそれぞれの名義のクレジットカードで決済をすれば、医療費を支払った者はそれぞれの者ということになり領収証にも正確に支払者が記載されます。

 当然といえばそのとおりなのですが、領収証が領収証としての正しい機能を発揮してしまいます。

 こういった場合でも「医療費の世帯合算は可能なのか?」と問われれば答えは「不可」となります。

 でもですね...

 実際に支払者が異なるクレジットカード払いの領収証が世帯合算してですね...

 医療費控除の申告をしたとして本当に税務署殿が医療費控除を否認するかというとかなり「微妙」だと思っています。

 一般論として税務署でも医療費の世帯合算は可能だという趣旨の指導・説明を行っているという事実もあったりしますから(汗)

 それでも、仮に税務署から医療費控除の支払者が申告者と相違しているという指摘を受けて申告内容の是正を求められたとしたならば...

 これは納税者に勝ち目はありません。

 税法をどのように読んでも「控除を受けられるのは支払った者」ですから(滝汗)

 これまた仮に「税務署が医療費の世帯合算は可能だと指導していた~」と主張しても、上記のような背景から一般論としてこういった説明は「やむを得ない」事であるわけで「誤った指導をしている」とは言えないとなるでしょう。

 だって...

 納税者が「家族の医療費は合算して医療費控除を受けていいですか?」と質問してく都度、「医療費控除を受けられるのは医療費を支払った者のみです、ただし実際には医療費を現金で支払うような場合~中途略~ですから実務的には問題ありません。」

 などと説明する方が余計に混乱してしまいますよね。

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コメント

No title

こんにちは。

最初の頃、条文と扱いがことなる医療費控除について疑問でしたが、今は慣れたもので家族合算が当たり前になっています。たぶん、別々に支払っているんだろうなぁと思いつつも合算している現状です。

実務は奥が深いなぁと思いつつ、これも人情ある(?)対応なのかぁと納得しています。

No title

こんばんは。
世帯合算は実務的な対応としても、多額の医療費が世帯全体(4人)でかかっており、一人の医療費が突出しているので世帯主からその一人分を引いて、残り3人分を他の方の医療費控除の対象にするなんて話が…
実際の負担がそうであれば勿論問題ありませんが、税負担の軽減を目的とした数字遊びならウンとは言えません。
その辺りを税務署殿に質問したそうですが、OKと言われてしまうとキツイですね(汗)
ポチッ!

To Gucci55さん

こんにちは。
本当に微妙な話ではあります。
こういう質問が電話相談などでくると私などはマジメなので建前と本音を両方説明してしまい、時間がかかります(汗)

To 税理士いとうさん

こんにちは。
私も以前、税務署に勤務していた時には「一つ屋根の下に暮らしていれば医療費は合算してOKです。」と説明していました(汗)
統括官でもそうですから一般の職員も同様です。
しかし、クレジット払いなどが増えてくると支払者が特定できるようになりますから課税庁殿もボチボチ運用を改める必要がありそうですね。

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税理士ふくやま

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