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配偶者控除は悪者か?

 千葉市の税理士ふくやまです。

 報道によれば政府税調が配偶者控除にあり方を見直す方向で検討に入ったそうです。

 併せて社会保険の三号扶養の是非(いわゆる130万円の壁)についても検討するとのこと...

 曰く、「配偶者(特別)控除と社会保険の扶養制度が女性の社会進出を阻害している。」そうです。

 ここで所得税というものを考えてみると...

 税金というのは適当に税負担を決めている訳ではなく税を負担する能力に応じて最適な課税をすることになっています。

 税を負担する能力を「担税力」といいます。

 法人税は法人の利益に担税力を求めています。

 消費税は消費行為(お金を使う力)に担税力を求めています。

 所得税は個人の利益に担税力を求めています。

 で...

 個人の利益を「所得」というのですが、個人の利益ってそもそも何なのか?というモヤモヤが生じます。

 法人の利益といえば財務会計上作成される財務諸表から導きだされます(税務調整はありますが...)。

 財務諸表を作成するルールは難しいのですが仕組み自体は極めてシンプルです。

 一方で個人の所得というのは所得の種類によって利益(所得)の計算方法が異なっているので一筋縄ではいきません(汗)

 また、所得というのは個人に課税される税金ですが、個人の担税力は生計を一にする家族の状況によって変動するという特性があります。

 ちょっと考えてみても...

 例えば、夫婦がともに500万円の給与収入がある場合と妻のみが1000万円の給与収入がある場合、どちらも世帯年収は1000万円ですが税負担は異なります。

 給与収入500万円の場合、給与所得金額は346万円です。

 仮に所得控除額100万円の場合、課税所得は246万円で所得税は約15万円です。

 夫婦併せて約30万円の所得税負担になります。

 給与収入1000万円の場合、給与所得金額は780万円です。

 仮に所得控除額138万円(配偶者控除を追加)の場合、課税所得は642万円で所得税は約80万円です。

 これに配偶者控除38万円が廃止されると所得税は約87万円になります。

 さて、所得税が個人の利益に担税力を求めているといいましたが、同じ夫婦2人世帯でこの税負担の差は果たして担税力に応じたものとなっているのでしょうか?

 実際には夫婦ともにサラリーマンの場合は社会保険料の負担も考慮しなければなりませんが、負担の大きい分将来の受益額も大きいということになっていますからね...

 したがって、あくまでも所得税の課税単位を個人とするのであれば、担税力に応じた課税を実現するために配偶者控除や扶養控除などの人的控除は不可欠なものとなります。

 所得税には所得の再分配機能があるということになってはいますが、上記の例はそういった類のものではありません。

 政策的な意味合いで税制を利用することの全てが否定されるものではありませんが、所得税が個人の所得に担税力を求めている以上、そこをあまり大きく歪めるのは如何なものかと思ってみたりします。

 女性の社会進出は税制よりも環境整備の方がより重要で、就業しながら安心して子供を産み育てることが出来る環境がより整えば自ずから就業意欲のある女性は働くようになるのでは...

 また、だからといって専業主婦世帯に対して税負担を重くするのは如何なものかと思ったりします。

 もっとも税理士とは因果な商売で法律が改正されれば気持はどう思っていようとも税法を遵守した対応をすることになります。

 自民党政権では政府税調に並んで自民党税調があります。

 党税調がどのような検討を行うのか、年末までの長丁場ですが注視していきたいところです。

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コメント

No title

こんにちは。
実は、女性の社会進出と103万の壁がどう関係あるのか、いまいち分かりません^^;
私なんかは、人口が減って、働き手が少なくなるから、女性ももっと働け!外国人を受け入れるのも限界があるんだよ!って言ってもらったほうがしっくりきます。それをもっともな表現をして、濁すのが気持ち悪くて仕方がありません。消費税の増税も社会保障とかどうのこうの言わずに、金がない。の一言で済むような気がします(笑)

To Gucci55さん

こんにちは。
女性が働くには子育て支援の充実が大前提になりますよね。
共働きで保育料7万円とか支払っている現実を考えると配偶者控除や社会保険料の影響は実際には?と思ってしまいます。
消費税の目的税化はおっしゃるとおりで、歴史的に見ても目的税化したお金が透明性を維持したまま運用されることはあまり期待できません。
一般財源として必要な支出に充てるのが最善だと思います。

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